UNICO Nova Blast Candy Cabについて
UNICO社が発売予定のアーケード筐体
アメリカのUNICO社が2024年7月頃に発売を予定しているアーケード筐体です。当初は2024年4月に発売予定でしたが、カスタムJAMMAボード、スピーカー位置の変更、モニターコンバーターボード、ベースの改良を行うため発売を延期し、同年6月中旬頃からの出荷予定となりました。
同社が過去に手掛けたMVSXとは違い、内蔵ゲーム無しなので単体では機能しません。本物のアーケード筐体ですから、自分でアーケード基板を用意して接続する必要があります。
上下で分割できる仕様となっており、コントロールパネルから上のバートップ部分が約30kg、金庫やコインシューターを搭載するベース部分が約18kg、上下合わせて約48Kgと軽量です。アーケード筐体が欲しいけど、既存の筐体はサイズや重量の問題で配送搬入や設置が困難という人には刺さるかもしれません。
価格はバートップ部分が999ドル、ベースは299ドルで、上下セットのCOMBOだと割引価格の1199ドルとなります。予約開始時点ではアメリカ、ヨーロッパ、香港等の在住者のみが予約できるよう制限されていましたが、2024年4月現在、UNICO直販サイトから日本向けの配送予約も可能になっています。
日本向けの価格
UNICO直販サイトでは、バートップとベースのセットで税込み197,999円、国際送料は10,000円~となっています。合わせて207,999円ですが、関税等は含まれていないので、実際に支払う金額はもう少し増えるものと思われます。
機能・特徴
- 解像度1440×1080、画面比率4:3、15khzに対応した26インチ液晶モニターを搭載
- モニターの縦横変更に対応(手動で回転が必要)
- マーキーデザインとスピーカーが異なる同価格2モデルをラインナップ
- バートップ、ベース共に金属製で堅牢なつくり
- 2レバー16ボタンのアストロシティ互換コントロールパネルを採用
- 電源やスピーカーも内蔵しているので、アーケード基板さえあればすぐに遊べる
- ヘッドホン端子や音量調整つまみを搭載
- バートップ背部にJAMMAハーネスがあるので、収納した基板をワンタッチで接続できる
- バートップ背部だけでなく、ベースにも基板を収納できる
- コントロールパネルには三和電子のレバーとボタンを採用
- モニターとコントロールパネルの間にボタンが3つ配置されている(テストスイッチ、コインスイッチ、サービススイッチ、MVS用セレクトボタン等を配置すれば便利そう)
- ベースにコインシューターが取り付けられる
- ベースに鍵付き金庫ボックスが標準装備
- ベースの鍵付き収納部分に、バートップからのJAMMA延長ケーブルが通せる(らしい)
- バートップ背部に対戦台構築用の穴があり、そこからキャプチャー用配線を外に出せる(はず)
- 上下合わせて約48Kgと重量が軽く、一般的な100Kgを超える筐体の半分以下
- 幅が約66cm、奥行が約64cmと手頃なサイズ感
気になる点
- モニター性能が不安(欠陥品のフェニックスモニターを改良したPro版らしいが果たして)
- マーキーの点灯が明るすぎる気がする(明るさ調整、あるいはオフにできれば便利そう)
- JVSには非対応(別途コンバーター等を用意する必要がある)
- コントロールパネルが2P仕様(個人的には1P仕様がよかった)
- コインシューターは日本の物が使えるかどうか
- コインシューターの位置が右膝下(天板にあれば硬貨投入がしやすいのだが)
- バートップ背部の冷却ファンの静音性
- 追加ボタン3つの機能を簡単に変更可能かどうか
- アストロシティモチーフの筐体なのに、椅子のサイズがビュウリックスサイズ?
- インストラクションカードを掲示するパネルがない
なぜか拡張用D-SUB15ピン端子を筐体正面に配置(案の定、改善要望が多数届いている模様)
※2024年3月末にUNICOがD-SUB15ピンを削除するかどうかのアンケートを行なった結果、D-SUB15ピンが削除、ヘッドホン端子はコントロールパネル側面に移設されることが決定されました
中々良さそうだけど…
重量、サイズ感共に手頃で搬入や設置に困らないのが大きなメリットでしょうか。コントロールパネル付近にボタンが3つあるため、筐体を加工することなくテストスイッチ等を配置できるのも嬉しいところ。
問題は価格が高いことです。公式直販サイトでは上下セットで179,999円(消費税と送料含まず)となっています。仮に日本で発売されることになった場合、200,000円を越えるんじゃないでしょうか。いくら新品が手に入るといっても、ここまで出すなら状態のいいJAMMA筐体が買えるでしょうし、ビュウリックス筐体の最上位モデル「ビュウリックス ダイヤ ブラック」にも手が出る価格です。
配送手段が確保でき、ブラウン管筐体の面倒が見れる人、設置場所に困っていない人、搬入手段に問題ない人、JVS基板のみを動かせればよく、そもそもJAMMA基板で遊ぶ予定がない人などは、今回の筐体は購入の選択肢に入らないかもしれません。
日本への予約購入も可能になったことで、個人的に購入を検討している筐体ではあるのですが、フェニックスモニターの欠陥で大きく評判を落とした(言い過ぎ?)UNICOの製品なので不安は付き纏います。
発売に先駆けて、界隈のインフルエンサーに実機を送りテストしてもらうという声明がUNICOのFacebook上であったので、このテストによるレビューを待ってから購入の判断をすることになりそうです。